大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京地方裁判所 昭和56年(モ)449号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

一本件記録によると、申立人の本件本案訴訟の主張は、要するに、相手方は、安代町農業協同組合長理事であつたが、何らの権限がないにもかかわらず、組合長印を勝手に利用して、株式会社百目木建設振出しの手形に安代町農業協同組合の裏書をなし、その結果、申立人に損害を与えた、というにある。

二しかしながら、安代町農業協同組合長理事である相手方は、同農業組合を代表する権限を有していると解せられる(農業協同組合法四一条、民法五三条参照)から、特段の事情のない限り、手形を振出す権限を有していたと推認できる。したがつて、農業協同組合長理事である相手方が、権限もなく組合長印を勝手に利用した旨の申立人の主張は、明らかに矛盾する。

三当庁昭和五四年(ワ)第一〇九三〇号損害賠償請求事件記録によれば、申立人は、右事件において、安代町農業協同組合の使用人である経理課長某がその職務権限を逸脱して裏書をなした旨主張している。

四また、申立人は、昭和五四年中に当庁に七件、昭和五五年中には二一件の訴訟を提起しているが、継続中の事件を除くと、申立人勝訴事件一件、和解成立事件一件、申立人敗訴事件三件、訴えを取下げたもの一〇件となつていることは、当裁判所に顕著である。

ちなみに、前記昭和五四年(ワ)第一〇九三〇号損害賠償請求事件で、申立人は、二〇〇万円を請求していたが、第二回口頭弁論期日において(第一回口頭弁論期日は双方不出頭により延期されている。)二〇万円の和解を成立させている。

五前記二ないし四で検討したところを総合すれば、申立人の本件本案訴訟は、「勝訴ノ見込ナキニ非サルトキ」にあたると認めることは到底できない。

(小林正明)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!